2018年ももうすぐ終わりに近づいてきました。
今年は「米中貿易戦争」という言葉が毎日報じられていましたよね。
「米中貿易戦争」について、
- なぜ始まったのか?
- これからどうなるのか?
- 日本の対応は?
について纏めました。
- 「米中貿易戦争」について詳しくは知らない
- 「米中貿易戦争」がどうなるのか気になる
という方は、是非この記事を読んでください。
米中貿易戦争とは?
2018年1月アメリカが、中国から輸入される太陽光発電パネルや、洗濯機に対して追加関税を課すことを発表しました。
これを皮切りに、アメリカは、アルミニウム製品や、鉄鋼についても関税の引き上げを行いました。
これに対して中国も、アメリカから輸入する果物や自動車、ロボットに対して、報復的に関税を引き上げました。
このように、アメリカと中国で双方の関税の引き上げを行い、その状態を継続している状態を「米中貿易戦争」と呼ばれています。
また、世界No1とNo2の経済大国の争い、ということもあり、影響が世界中に広がっています。
なぜ、米中貿易戦争が始まったのか?
この図は、主要国のGDP(国内総生産)の推移です。
アメリカのGDPが最も高く、綺麗に上昇していますね。
また、そのアメリカに中国のGDPがものすごい勢いで肉薄しているのが分かります。
ちなみに、中国のGDPはここ20年で10倍以上に増えています。
なぜ、中国はこれほどの勢いで経済成長ができたのでしょうか?
アメリカ側は中国の急激な成長の背景には、『中国は中国の通貨である「人民元」の為替レートを、適正よりも不当に安く操作していた』と主張しています。
「人民元」が安いと中国にどのようなメリットがあるのでしょうか?
図出展:ガベージニュース(http://www.garbagenews.net/)
①自国の製品を安く輸出できる
商売において、当然ながら価格が安いほうが喜ばれます。
中国で生産した製品の値段は、人民元が安いと、中国以外の国からすると安くなります。
例えば、100元の製品があれば、
1ドル=10元なら、10ドルが必要になりますが、
1ドル=100元なら、1ドルで買えてしまいます。
このように人民元の為替レートをなるべく安くすることで、中国で生産した製品はとても価格競争略が高くなります。
結果として図のように、2000年以降、中国は輸出の量が一気に増えています。
中国は貿易で莫大なな利益を得ることができました。
図出展:世界経済のネタ帳(http://ecodb.net/)
②自国の産業を守り、成長させることができる
人民元が安い、ということは、中国に住んでいる人からすると、外国の製品が高くなります。
と、いうことは、外国の製品は中国では売れにくくなりますね。
中国は世界で最大の人口をもつ国なので、外国としては自分の国の製品を売りたいのですが、為替レートの影響で、値段が高くなって売れません。
すると、必然的に、中国の人は、自国で生産された製品を買うことになります。
元々、中国は、良い製品を作るだけの技術力がありませんでした。
しかし、為替レートのおかげで、国内では外国の製品と競争から保護されてきました。
そのおかげで、十分に中国の産業は成長し、国際的な技術力に追いつくことができました。
中国のやり方に、アメリカ激おこ!
為替レートの操作は明確な罰則はありません。
しかし、この方法は明らかにアンフェアなやり方であるとしてアメリカが怒りました。
中国製品が売れにくくなるようにアメリカが関税を引き上げたことで、貿易戦争が始まった、というわけです。
この動画は2018年10月4日のペンス副大統領の演説です。
激おこですね。。。
為替操作以外にも
・関税
・総量規制
・強制的技術供与
・知的財産窃盗
などの点で、中国に対して怒っています。
このまま、中国がアンフェアなやり方で経済成長を続け、そのお金を軍備や、他国をコントロールするための費用に充ててしまった場合、世界のバランスが崩れてしまいます。
世界の覇権が(少なくとも形上は)民主主義のアメリカから、そうではない中国に移ってしまうことになります。
チベットやウイグルの状況を聞いたことがある人は、これが恐るべき自体だということが分かると思います。
これからどうなるの?
さて、これからどうなるのでしょうか?
① 和解して関税引き下げ
② 和解できずに関税そのまま
の2つのシナリオがあります。
が、問題の根っこである、アンフェアな貿易や、中国の非民主主義的な体制が改善されるとは考えにくいですね。
仮に和解して一時的に関税が下がったとしても、それは形上の和解になると予想します。
おそらく、何らかの形で、この問題は続いていくものと思います。
米中貿易戦争に対する日本の対応は?
今まで中国は精密機械などの「技術的な専門品」をアメリカからの輸入に頼ってきました。
しかし、貿易戦争によって、アメリカから買えなくなると、次はどの国に頼ることになるのでしょうか?
2018年10月26日日中首脳会議が開かれました。
豪華な歓迎を受ける阿部首相のニュースをあなたも見たかもしれません。
結果として、
- 通貨スワップ協定の再開
- 民間経済協力(共同インフラ投資等)
などの経済での協力関係を進めていくことが決まってしまいました。
さて、果たして本当にこれで良かったのでしょうか?
私たちにできること
今回は「米中貿易戦争」について、
- なぜ始まったのか?
- これからどうなるのか?
- 日本の対応は?
について纏めました。
一見、私たちとは無関係に思う話題ですが、私たちの未来にも影響がある話だということが分かって頂けたかと思います。
そもそもですが、日本は民主主義の国です。
ということは、本来は私たちの意思で、国の決定がされていくはずです。
政府は、あくまで私たちの代表です。
したがって、私たちが無関心では、代表も私たちの意思とは関係の無い判断をすることになってしまいます。
必要な知識を身につけ、今何が起こっていて、何が問題になっているのかを知ることが、結果的に私たちの暮らしを守る第一歩だと思っています。
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