『日本国内の景気が後退局面に入った可能性がある』というニュースが、今年の3月7日に飛び込んできました。
『内閣府が発表した1月の景気動向指数速報値が、3カ月連続で悪化した』ことから、景気に対する判断が変わったとのことのようです。
このニュースを観てふと気づいたのは、私は、「そもそも、『景気』とは何か?が良く分かっていない」ということでした。
当然ながら、投資に係る者として、経済の知識は必須でございます。しかし、私たちは『景気』という言葉は良く使いますが、その実、正確な意味は良く分かっていないのではないでしょうか?
- そもそも景気って何?
- 景気ってどうやって測るの?
- 景気の動き方って何?
という方は、是非この記事を読んでみてください。景気に係る基本を身につけることができます。
景気とは何か?
景気とは、簡単に言うと、「経済の良い、悪い」という状況を表します。
日本の経済の状況の動きが良いときを「好景気」といい悪いときを「不景気」と言います。
景気は企業に大きな影響を与え、企業の株価にも影響を及ぼし、株価と景気には密接な関係があります。
では、景気の良し悪しをどのように計っているのでしょうか?
「景気動向指数」とは?
景気の良し悪しを計るには、『景気動向指数』というものを用います。
この指標は、以下の9つの指数を大よそ平均したものになります。
- 生産指数(鉱工業)
- 鉱工業用生産財出荷指数
- 耐久消費財出荷指数
- 所定外労働時間指数(調査産業計)
- 投資財出荷指数(除輸送機械)
- 商業販売額(小売業)(前年同月比)
- 商業販売額(卸売業)(前年同月比)
- 営業利益(全産業)
- 有効求人倍率(除学卒)
なんだか、難しい言葉が並んでいますが、要するに企業が活発に活動をすると上昇し、逆に活動が弱まると下降する指標を見て、景気動向指数を決めているようです。
3月7日に発表された景気動向指数は、この9つの指標の中で8つがマイナスであった※ことから、『日本国内の景気が後退局面に入った可能性がある』という結論に至ったようです。
※景気動向指数 平成31(2019)年1月分(速報)参照(https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/preliminary1.pdf)
景気の動き方とは?
景気は、『循環するものである』と、経済学では考えられています。
どういうことかというと、景気が活発になる、あるいは不活発になる、という変化はある程度規則化されており、この規則的な変動を「景気循環(リサイクル)」と言うようです。
景気循環(リサイクル)とは基本として4つの局面に分けて考えられます。
① 拡張期 :経済活動が上昇しつつある場合
② 景気の山:拡張期が終わった後に、経済活動水準が低下し始める時期
③ 後退期 :経済活動の下降局面
④ 景気の谷:後退期が底に達して景気がこれから回復し始める時期
一般的には、①拡張期→②景気の山→③後退期→④景気の谷、という流れで景気は動くと考えられています。
景気循環は、谷、拡張期、山、後退期、からなってその長さを「周期」と言います。この局面の判断は内閣府経済社会総合研究所で議論され、景気基準日付(山、谷)が決められます。
今回の発表は、『景気動向指数』が2018年11月、2018年12月、2019年1月と、3か月連続でマイナスであったために、「②景気の山」を越えて、「③後退期」に入ってしまったのではないか?と考えられたようです。
表 景気動向指数
2018年 | 2019年 | |||
10月 | 11月 | 12月 | 1月 | |
景気動向指数 (一致指数) 前月差 |
103.7
2.6 |
101.9
-1.8 |
100.6
-1.3 |
97.9
-2.7 |
景気動向指数を見ることで、景気の動きが分かる
今回は
- そもそも景気とは?
- 景気をどうやって測るの?
- 景気はどのように動くのか?
などについて簡単に説明をしました。
「最近景気が悪い」
と聞いたら、どのくらい悪いのか?
これからどうなるのか?
などを景気動向指数を見ることで調べることができます。
是非、ご自身の投資やお仕事などにお役立て頂ければ嬉しく思います。
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