『老後2000万円問題』は存在しません！ニュースの嘘を暴露します

『老後までに2000万円を貯めておかないと、年金だけでは生活ができない、と政府が認めた！』

というニュースが、2019年6月ごろに毎日報道されました。

いわゆる『老後2000万円問題』というヤツですがご存じでしょうか？

なかなか世間を騒がせたこのニュースについて、仕事柄 質問されることが多いので、ブログとして整理しました。

• 『老後2000万円問題』が気になる！
• ニュースを聞いて、老後がとても不安になった。

 という方は是非読んでください。

『老後2000万円問題』の真実が分かります！

『2000万円を貯めておかないと生活ができない‼』と報道された理由は、金融庁市場ワーキンググループの報告書の中に以下のような記述があったからです。

＞夫 65 歳以上、妻 60 歳以上の夫婦のみの無職の世帯では 毎月の不足額の平均は約５万円であり、まだ 20～30 年の人生があるとすれ ば、不足額の総額は単純計算で 1,300 万円～2,000 万円になる。（21頁抜粋）

https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf

確かに、ここだけを読むと『老後は毎月5万円も不足するから、それまでに2000万円を貯めておかないと生活ができない！』と、思ってしまうのは無理が無いですよね。。。

では、結局この報告書は何のためのものでしょうか？

前書きを読むと、こう書かれています。

＞政府全体 の取組みや議論に相互関連して、高齢社会の金融サービスとはどうあるべきか、 真剣な議論が必要な状況であり、個々人においては「人生 100 年時代」に備え た資産形成や管理に取り組んでいくこと、金融サービス提供者においてはこう した社会的変化に適切に対応していくとともに、それに沿った金融商品・金融 サービスを提供することがかつてないほど要請されている。（1頁抜粋）

https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf

つまり、金融庁が何をしたかったかと言うと、

『人生100年時代を迎え、これまでとは状況が変わってきたので、金融業界もそれに合わせて変わりましょう。だから、そのためにまず、現状を整理しますよ。』

という流れで出てきたのが、先ほどのグラフになります。

 この報告書をよく読むと、もちろん、『年金は足りない』とか、『生活できない』などとは一言も記載されておらず、あくまで現状を分析しているのみです。

結論は、老後、長く働けない期間があるので、

• 『リスクの高い商品を販売する時は気を付けよう』
• 『認知・判断能力が低下している人向けに、サポートを手厚くしよう』
• 『顧客本位で一緒に考えよう』

など、とても常識的なことが書かれています。

ちゃんと報告書を読んでいる人にとっては、むしろどこが問題なのか、よくわかりません。

単体で読めば問題の無い報告書ですが、一部分だけ切り取って『ゴシップ』的に報道されたように思います。

報道機関は、どれだけ注目を集められるか、が関心事なので、スキャンダラスに報道したほうが、より注目を集められる、と考えたとしても不思議はありません。

ニュースを鵜呑みにするだけでは本当のことは見えてこないのです。

整理すると、結論は「2000万円問題など存在しない」です。

むしろ、本当に必要な貯金は、その人のライフスタイルや、健康状態、物価の変動などによって異なるために、ワカリマセン。

大事なこととは、このような話題をキッカケにして、お金の管理・運用などを学ぶことではないでしょうか。