「スワップ取引」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
たまにニュースや新聞などで聞いたことがあるかもしれませんが、なかなかちゃんと学ぶ機会はあまり無いかと思います。
でも「スワップ取引」について理解しておくとより正確に世界のお金の動きを理解することがきるようになります。
- スワップ取引について理解したい。
- 一度学んだけど良く分からなかった
という人のために例を使って分かり易く説明いたします。
金利スワップとは何か?
「スワップ取引」とは、簡単に言うと「契約した借金を、他の借金者どうし」で交換することです。
例えば、AさんとBさんがそれぞれ借金をしていたとします。
Aさんは金利が刻々と変わっていくタイプの借金(変動金利)をBさんはずっと金利が変わらないタイプの借金(固定金利)を、それぞれがしていたとします。
AさんとBさんの間で、彼らのの金利を交換する契約をします。
これをスワップ取引の中でも「金利スワップ取引」といいます。
これをすることで、Aさんは変動金利、Bさんは固定金利だったものをBさんは変動金利、Aさんは固定金利に交換することができます。
なぜ、このような取引をするかというと、Aさんは今後金利が上がると考えた場合、変動金利では損をしてしまいます。
また、Bさんは今後金利が下がると考えていた場合、変動金利に切り替えたほうが良いと考えるでしょう。
このような予想の違いから、この交換は成立するのです。
通貨スワップとは何か?
ここまでは「金利スワップ」について説明してきましたが、もうひとつ有名なスワップ取引として「通貨スワップ」があります。これは違う通貨どうしの借金を交換する取引です。
例えば、米ドルと日本円の借金を交換することができます。
ここで、分かり易く1ドル=100円の両替レートとします。
1億ドル借りたいと思っている日本企業Aと、100億円借りたいと思っている米国企業Bがあったとします。
一般的には外国企業が銀行からお金を借りようとすると基本的には金利が高くなってしまいます。
なぜかというと、お金を貸す銀行からすると、貸し付けている企業が外国企業だと、回収するのが大変だからです。
その状況において、考え出されたのが通貨スワップ取引です。
例えば、日本企業Aが日本の銀行で、低金利で100億円借ります。
そして、米国企業Bが米国の銀行で、低金利で1億ドル借ります。
この100億円と1億ドルを交換することで、お互い安い金利で、お金を借りることができます。
これが通貨スワップ取引の基本的な原理です。
通貨スワップの問題とは?
お気づいたかもしれませんが、ここで1つ問題があります。
前提条件として、「1ドル=100円」としていましたが、ドルと円のレートが変わってしまう恐れがあります。
例えば、返済する際に、1ドル=110円や1ドル=90円になると、どちらかの企業が不利になります。
例えば、1ドル110円になると、日本企業が100億円分借りたのに、110億円返さなくてはならなくなります。
逆に、1ドル90円になると米国企業が痛い目を見ることになります。
そこで、それぞれの企業はドルと円のレートが不利な方向に保険をかけたいと思うはずです。
例えば、日本企業の場合、ドル高になってしまうと不利です。
そこで、オプション取引をします。
オプション取引とは、保険料を払って、保険をかけておくような取引です。
保険料は無駄になるかもしれないけど、安心代金としてよしとして、スワップ取引をします。
このような取引は機関投資家が活発に行っております。
まとめ
今回はスワップ取引について、基本的な仕組みと、「金利スワップ」、「通貨スワップ」の違いについて学びました。
実際にスワップ取引を個人で行うことはないと思いますが、でも「スワップ取引」について理解しておくとより正確に世界のお金の動きを理解することがきるようになります。