建設業の4つの売上計上基準とは?


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建設業は、その特性上、工期が長く、工事と入金に時間差が生じることから、決算のタイミングによって決算書の内容に差異が生じてしまうことがあります。

そのため、建設業では以下の4つの売上計上基準が許されており、任意に選択することができます。

 

 ①工事完成基準

 ②部分完成基準

 ③工事進行基準

 ④新収益認識基準

 

今回はこの4つの売上計上基準について分かりやすく纏めました。

建設業の経理部の方は必見の内容です!

①工事完成基準


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そもそも「売上」とは、「お客様に商品やサービスを提供した時に頂く代金のこと」を言います。

 

その、売上を計上するタイミングは、「商品やサービスをお客様に引き渡した(提供した)日」です。

 

建設業において、「商品やサービスをお客様に引き渡した日」とは、工事が完成した日に他なりません。

 

 

「工事完成基準」とは、実質引き渡しの完了時点において売上を確定させるやり方です。

②部分完成基準


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「①工事完成基準」と似たやり方です。

例えば、同じような複数の建物を順に引き渡しをする場合、一つの契約であっても、売上計上はそれぞれの完成引き渡しの都度となります。

 

マンションのA棟、B棟、C棟のようなイメージです。

 

また、1つの建物であっても、部分的な完成に応じて報酬が発生する場合、それ毎に売上を確定させていきます。

 

着手金、中間金、完成金など、施工の進捗によって入金がある場合のイメージです。

③工事進行基準


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前述の「①工事完成基準」および「②部分完成基準」の場合、工事の完成のタイミングが決算の前後どちらになるかによって、大きく売上高が変わってしまう恐れがあります。これでは正しく会社の状態を現すことができません。

 

したがって、請負金と原価が定まっている場合のみ、「③工事進行基準」を用いることができます。

 

この基準では、工事の進捗率に応じて、売上を計上してよいことになります。

 

その際の原価も、予め定めたものに対して、進捗率に応じて計上することになります。

 

④新収益認識基準


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これら①~③の3つの基準に加えて、2022年より「新収益認識基準」が導入されました。

 

この基準では、原価がしっかりと定まっていない場合においても、予想の工事原価総額に対して、発生済みの工事原価の割合でもって、進捗率を定めて良いことになりました。

 

加えて、実行予算(全体の予算)がない場合においては、原価率100%(粗利ゼロ)を仮定して、発生済みの工事原価の割合でもって、進捗率を定めて良いことにもなりました。

 

これにより、かなりの範囲の工事について、進捗ベースでの売上計上が可能になったといえます。

まとめ


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建設業では以下の4つの売上計上基準が許されており、任意に選択することができます。

 

 ①工事完成基準

 ②部分完成基準

 ③工事進行基準

 ④新収益認識基準

 

繰り返しになりますが、建設業の特性上、工事の期間が長くなってしまうため、工事と入金に時間差が生じることがあります。

 

それによって決算書が歪んでしまわないように上述の売上基準を正しく選定し、会社の状況を正しく決算書に落とし込むことが大事になります。

 

基準に迷った時は、ぜひこの記事を参考にしてください。